2007-08-27 [Mon]
下の続き。
結論から言うと、例の灰色子猫はたまに元気がなくなることを除いて特に迷惑をかけることもなく、オレと子猫は順調な同居生活を送っている。
子猫を拾った日は金曜日で事務所は土日休日だったからオレは気兼ねなく子猫の容態を心配できた。
夜まで降り続いていた雨が上がった翌日の午後にオレは放置していた自転車を回収し、ついでに買い物に出かけた。
「よう、子猫ちゃんはどうだい?」
この人が言うと子猫=女の子って感じがするんだけど、オレの気のせいか?
男前なご近所のお兄さん(っていう年齢じゃなさそうだけど、おっさんとも言いがたい。年齢不詳だ)はオレに声をかけてきた。
本日はVネックに黒フレームですか。見てるこっちが悲しくなるほど決まってますね。
「ばっちり元気とも言いがたいですが、昨日のクッタリよりかは元気そうですよ。目も開いて一鳴きしました。」
「そうかい。メシは食ったか?」
「はい。たくさんは無理みたいですが」
「メシが食えりゃ大丈夫だろ。よかったな」
よっぽどあなたの方が嬉しそうですね。と思ったが言わなかった。同居人が猫駄目ってちょっと寂しいんじゃないかなとか余計なことも頭をよぎったけど、よその家庭事情なのでやはり口には出さなかった。しかし同居人って珍しいな。奥さん辺りかな?
「また元気そうになったら声かけますんで、遊びに来てください。同居中の方に秘密で」
「ク…ボウヤも言うね。その機会を楽しみにしてるぜ」
そういって彼と別れた。そういえば、あの人どこからやってきたんだろう?まさかオレが来るのを待ってたってわけじゃないだろうな。
へぷしっと間抜けなくしゃみを出しながらオレは自転車にまたがった。すっかり猫にかまけて自分の管理を忘れてた代償だ。まだまだ暑い時期だからこれくらいで済んだのが不幸中の幸いか。
「だたいまー。キョーヤ」
ちいさく声をかけて部屋に入る。一応ペット禁止だから余り独り言が多くてもバレてしまうので苦肉の策だ。
子猫-オレがなけなしのセンスで決めた名前がキョーヤだ-は出かけた時と同じところで丸まって寝ていた。具合が悪くなった様子はない。
子猫が目覚めたとき、予想通りパステルブルーの目だったのでそのままキョーヤと名付けた。オレのライバル…って言っていいのか、バンドやったりと知名度はかなり高いであろう牙琉検事から名前を取ったのはそれなりに意味があってのことだ。
ちゃらちゃらしている外見の割りに彼はそれなりに苦労している。身内とも言えるごく身近な人物が相次いで検挙され、しかもそれに至る裁判では名が落ちることを微塵も気にせず事実を口にしていた。
今一番辛い時期だろうなと思うが、彼はそれを乗り越える力を持っているだろうとオレは考えている。
というか、最近会ったときもへこたれた様子を微塵も見せずに堂々とオレをからかってくれたしな。心配する気も削げるというものだ。
そんな図太さを持って生きてって欲しいと願って名前をつけたわけだが、どうも響也とそのままだと何故かくすぐったかったので「キョーヤ」と平坦に呼ぶことにした。うん、第三者にはよくわからんだろうがオレの心の問題なので気にしないことにする。
「キョーヤ」
静かに呼びかけてみる。寝ているのか反応はない。もともとキョーヤはあまり、というかほとんど鳴かない仔だった。オレもまだ1回しか声を聞いていない。返事がないと生きているのか不安にもなるが、お隣さんに猫の存在がバレなくて済むので今後ともその調子でお願いした方がいい気がする。
子猫は未だ夢の中だ。
**
な~ん~で~か~進まない。1日しか進んでないよ。そして無意味に近所のお兄さん(誰だかバレバレ)の描写に力を入れてしまう。
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子猫を拾った日は金曜日で事務所は土日休日だったからオレは気兼ねなく子猫の容態を心配できた。
夜まで降り続いていた雨が上がった翌日の午後にオレは放置していた自転車を回収し、ついでに買い物に出かけた。
「よう、子猫ちゃんはどうだい?」
この人が言うと子猫=女の子って感じがするんだけど、オレの気のせいか?
男前なご近所のお兄さん(っていう年齢じゃなさそうだけど、おっさんとも言いがたい。年齢不詳だ)はオレに声をかけてきた。
本日はVネックに黒フレームですか。見てるこっちが悲しくなるほど決まってますね。
「ばっちり元気とも言いがたいですが、昨日のクッタリよりかは元気そうですよ。目も開いて一鳴きしました。」
「そうかい。メシは食ったか?」
「はい。たくさんは無理みたいですが」
「メシが食えりゃ大丈夫だろ。よかったな」
よっぽどあなたの方が嬉しそうですね。と思ったが言わなかった。同居人が猫駄目ってちょっと寂しいんじゃないかなとか余計なことも頭をよぎったけど、よその家庭事情なのでやはり口には出さなかった。しかし同居人って珍しいな。奥さん辺りかな?
「また元気そうになったら声かけますんで、遊びに来てください。同居中の方に秘密で」
「ク…ボウヤも言うね。その機会を楽しみにしてるぜ」
そういって彼と別れた。そういえば、あの人どこからやってきたんだろう?まさかオレが来るのを待ってたってわけじゃないだろうな。
へぷしっと間抜けなくしゃみを出しながらオレは自転車にまたがった。すっかり猫にかまけて自分の管理を忘れてた代償だ。まだまだ暑い時期だからこれくらいで済んだのが不幸中の幸いか。
「だたいまー。キョーヤ」
ちいさく声をかけて部屋に入る。一応ペット禁止だから余り独り言が多くてもバレてしまうので苦肉の策だ。
子猫-オレがなけなしのセンスで決めた名前がキョーヤだ-は出かけた時と同じところで丸まって寝ていた。具合が悪くなった様子はない。
子猫が目覚めたとき、予想通りパステルブルーの目だったのでそのままキョーヤと名付けた。オレのライバル…って言っていいのか、バンドやったりと知名度はかなり高いであろう牙琉検事から名前を取ったのはそれなりに意味があってのことだ。
ちゃらちゃらしている外見の割りに彼はそれなりに苦労している。身内とも言えるごく身近な人物が相次いで検挙され、しかもそれに至る裁判では名が落ちることを微塵も気にせず事実を口にしていた。
今一番辛い時期だろうなと思うが、彼はそれを乗り越える力を持っているだろうとオレは考えている。
というか、最近会ったときもへこたれた様子を微塵も見せずに堂々とオレをからかってくれたしな。心配する気も削げるというものだ。
そんな図太さを持って生きてって欲しいと願って名前をつけたわけだが、どうも響也とそのままだと何故かくすぐったかったので「キョーヤ」と平坦に呼ぶことにした。うん、第三者にはよくわからんだろうがオレの心の問題なので気にしないことにする。
「キョーヤ」
静かに呼びかけてみる。寝ているのか反応はない。もともとキョーヤはあまり、というかほとんど鳴かない仔だった。オレもまだ1回しか声を聞いていない。返事がないと生きているのか不安にもなるが、お隣さんに猫の存在がバレなくて済むので今後ともその調子でお願いした方がいい気がする。
子猫は未だ夢の中だ。
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な~ん~で~か~進まない。1日しか進んでないよ。そして無意味に近所のお兄さん(誰だかバレバレ)の描写に力を入れてしまう。
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