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ヲタクが喋ってます。 絵も描きます。 逆裁とアジカンが好物。
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2008-05-11 [Sun]
komitukonaru1-1.jpg

いつも思いつきで行動してます。(つまりネタが降ってきた)パラレル妄想注意です。

ちなみにミツナルミツの御剣片思い前提です。(一応)


追記
絵に色を塗りました。

久々に予定もやり残した仕事もない休日に、私は家でゆっくり過ごしていた。
原則的に二日ある休みは必ずしも二日とも休めるとは限らないが、大体そのうちの一日はぼんやりして過ごす。
他人に話したらもったいないと言われそうだが、特に活発に何か行動する人間でない私にとって気を張らない一日こそ安息なのだ。
成歩堂あたりにそのことを話したら馬鹿にされるだろうか。いや、あいつもきっと休みは家で昼まで寝ているだろう。あくまでこちらの勝手なイメージだが。

―成歩堂、か。
休日になると幼馴染であり、親友の彼を思い出す。平日は仕事に没頭してそのことばかり考えてしまうが、時間が空くとふと彼のことが頭をよぎる。今何をしているだろうか、昼食をとっているころだろうか、依頼は入っているのだろうか。自分と違う時間を過ごす彼を想像して、しかし特に連絡して確認するでもなく、ただ彼のことを思っている。
それはただ友人を気にしているというには頻度が高く、今日は天気がよく暖かいから机で転寝でもしているだろうかと考えると私の胸まで暖かくなり、もしかしたら仕事で親しくなった女性と食事に行っているかもしれないと考えると途端に胸が苦しくなる。
成歩堂に対する私の感情は異常だ、と気づいたのはそこそこ前で、それ以来やんわりと彼から距離を置いている。その感情から一歩進むにはまだ勇気が足りず、今の優しい関係から一歩抜け出すにはまだ私の心が弱くて無理だ。
成歩堂からの連絡はメールばかりで、特にこちらを不審がっている様子はまだない。彼も忙しいのだろう、私と会う機会は法廷以外では殆どない。私も元々彼から誘いがなければ会いに行かない出不精であったのが皮肉だ。

つらりつらりと昼食後に物思いにふけっていたからなのか、いつの間にか私は眠っていたようだ。

ふと目を開けると、見知らぬ部屋に私は横たわっていた。
そこは畳部屋で、やや色褪せた襖や開いた障子の向こうに午後の日に照らされた縁側が見える。
取り込まれた洗濯物や、部屋の隅に積まれた座布団が生活感を出していて、畳のある家に住んだことのない私にも何故だか懐かしさを感じさせる不思議な空間だった。
いや、私はこの家に来たことがある。それは家の中ではなく、外の縁側から―

「お兄さん、だあれ?」
ぼんやりと考えていた私の後ろから、まだ性別の判別がつかない高い声が聞こえてきた。
後ろを振り向くと、なんだか見覚えのあるとがった髪型の少年が私をじっと見つめていた。
くりくりとした真っ黒な目は懐かしさを呼び起こさせる。
「さぁ…誰なのだろうな」
目の前の少年が成歩堂なのならば、ありえない時期にありえない場所にいる私は何なのだろうか。説明できる気がしなくて、質問で返してしまった。検事としてはあるまじき行為だ。しかし今の私は検事としてここにいるわけではないので、別にいいだろう。
「お兄さん、自分の名前もわからないの?変なの。ボクはなるほどうりゅういち。お父さんもお母さんも今日は用事があっていないんだけど…」
「そうか」
「そうかって。何でここにいるの?」
どうやら恐怖のツッコミはこのころから健在のようで、子供独特の遠慮のなさで早速突っ込まれた。
「残念だが、私も何故ここにいるのかわからない。そもそも私はここにいるべき存在ではないはずなのだが」
「え。じゃあ帰り方もわからないの?」
「そうだな」
私は半ば投げ遣りにそう返した。よくわからない内に飛ばされた懐かしい異空間に、正当な帰り方もない気がするが、不思議なことに私は焦らなかった。ここが暖かい空間だからだろうか。
「ふぅん。今日は矢張とかと遊ぼうかなって思ってたけど、いっか。お兄さんなんかほっとけない感じだし」
「何だ、ほっとけない感じというのは」
「うーん、なんとなく?」
私は失笑してしまった。今の成歩堂も暇があれば私にメールしてくるが、その理由が「なんだかほっとけないから」だそうだ。昔からそういうところは変わらないのだな。
「私はそんなに頼りなさそうか?」
「ううん、そんなんじゃなくて」
成歩堂少年は胡坐をかいた私の足の間に座り込んで、下から覗き込むように私と目を合わせた。
「なんだかはかない…だっけ?ほわほわしてる感じがする。よそ見して、次見たらいなくなってそうな感じ。」
まっすぐ見つめる目と、言葉にスッと肝が冷えた。
「本当に…君は…」
「んー?」
くりっと目を開けて見上げる少年は、無遠慮に私の髪を一房つかんだ。引っ張りはしないので痛くはないが、首が動かせない。
「お兄さんの髪、茶色なのに灰色っぽい。変わった色だねー。でもきれい。」
「そうか。ありがとう」
やや色素の薄い私の髪は生まれつきのもので、学生時代はそれだけで浮いた存在になっていた。良くも悪くもやや特別扱いを受けやすい原因にもなったが、純粋に褒められるとうれしい。特に「彼」に好意的に思われているのなら、悪くはない。
どうやら髪だけでなく、私の瞳にも興味を持ったらしく、彼からじっと見つめられる。
お返しに、私も幼い彼の顔を観察してみることにした。
狭くも広くもない額に、つんつん尖った毛先、しかし実際に手で梳いてみるとさほど硬くなくすべり心地がいい。
髪を梳いてやると、少年は気持ちよさそうに目を閉じた。
まるでのどを鳴らす猫のようだ。
どんぐりのように大きな黒い瞳が閉じられると、ぎざぎざに曲がった眉が気になってしまう。
成歩堂の顔を間近でじっくり見たことがなかったので、眉の生え際がしっかり見えて本当にぎざぎざに生えているのだな、と妙な感動を覚えてしまった。
そうすると、不思議なことにその眉と額に口付けたくなってしまった。
有体に言えば、その奇跡のような眉を愛でたくなってしまったのだと思う。
気がついたら私は成歩堂少年の眉に唇を寄せていた。
髪を梳かれて気持ちよさに目を閉じていた成歩堂少年は、想像し得ない感触に吃驚したのだろう。
目を丸くして硬直している。
かく言う私も内心動揺していた。な、なにをやっているんだ私は!たとえ想い人(の過去)とはいえ小学生相手に「つい」キスしてしまうなど…!
しかし、このキスは子供に対するキスなのか、恋人に対するキスなのか、どっちなのだろう?とどうでもいい方向へ私の脳が逃避しかけていたころ。
「おーい!成歩堂、遊ぼうぜー!」という、やはり私の記憶より甲高い声で懐かしい声が聞こえてきたかと思うと、私の記憶はブラックアウトしていた。



いつの間にかボクの家の中にきれいなお兄さんがいた。
お兄さんから頭をなでられて、気持ちよくってぼんやりしてたら、まゆげの上に何か変わった感触がして、目を開けるとお兄さんがビックリした顔をしてた。
ボクも一緒に固まってたら、ヤハリが外から声かけてきて、そっちを見てもう1回お兄さんの方をふり返ったら、だれもいなくなってて、もっとビックリした。
でも、あのお兄さんだったらありえそうで、妙にナットクしてしまった。
あれって新手のおばけなのかな?
でも、お兄さんだったらまたきてほしいな。きれいだったし。
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